100歳まで自分の足で歩くために
最初に結論を言ってしまうと、まず足指の力をつけましょうと言うことです。
転倒や転落による死者はなんと交通事故死の3倍以上
救急搬送のうち、事故によるものの8割が転倒が原因といわれています。
しかも転倒場所の8割は自宅だそうです。
転倒による骨折で入院している方のなんと多いことか!
転倒による背骨と股関節の骨折は、寝たきりリスクが非常に高くなります。
骨粗しょう症がある方は治りも遅く
数か月の入院中に認知症を発症するリスクもあります。
100歳まで自分の足で歩くという目標のためにはまず
転倒しにくい歩き方がとても大事ということですね。
健康のために、歩け歩け運動などが推進されていますが
間違った歩き方や悪い姿勢で長く歩いても
かえって膝や腰を痛めることになりかねません。
足は全身を支える基盤です。
浮き指(足指に力が入らない状態)の人は
転倒リスクが大幅にアップするといわれています。
転びにくい歩き方をするためには浮き指の改善がとても大事だと思います。
退化した足指の筋肉を鍛えることで、歩く姿勢まで変わってきます!
私なりに「正しい歩き方」を考察してみました。
立方骨(足裏の中心部)に体重を乗せる歩き方
現在主流となっている歩き方のひとつにローリング歩行という方法があります。
踵(かかと)から地面に着地して 重心を移動させ
つま先でしっかり踏み込むように して前に進む歩き方です。
歩幅を広くし、ローリングするように作られた靴で歩くと
無意識に踵からの着地→つま先への荷重になります。
ローリングタイプの靴は、踵からの衝撃を和らげるような厚手のソール(靴底)で
ローリングしやすいように底が船形のようになっています。
確かに少ない労力で歩ことができ、つま先が上がっているため躓きにくく
短期的には、スピードアップやケガの予防に貢献することがあるかとは思われます。
ただ、足指を使う必要がないため長期的にみると
逆に足指の筋肉が衰えてくる可能性があります。
もっと言えばローリングタイプの靴は
浮き指を助長しているのではないかと考えています。
筋肉は使わなければ、あれよあれよという間に衰えてしまうのです。
また、踵をつく瞬間は体軸が後ろ寄りとなり
つま先に荷重を移動させた時は体軸が前よりになるため
筋肉がしっかりついていて体幹がキープできる方は美しく歩けますが
体幹をキープする筋肉があまりない方などは
体軸が前後にいったりきたりするため、
逆に負担がかかりやすいのではないかと思います。
では、どのような歩き方がよいのでしょうか?
それは、足裏の中心部で着地するということです。
<足裏図>
着地する際に足の中心部を意識してみると
おのずと体の中心に体軸がおさまり、足指がしっかり地面を掴み始めて
片足に体重がかかっている時間が長くなります。
そのため次の足に荷重を移動させる時も安定性が高まり
体軸がぶれにくくなります。
自然に足指を使って蹴りだすため、足指の力もついて
転びにくい体幹になります。
<足裏図の比較>
浮き指を改善するためには、ベアフットシューズをお勧めいたします。
ベアフット(Barefoot)とは「裸足・素足」の意味で
「裸足のように歩くことで、人間の足自体が持つバランスを取る力や
蹴り出す力を引き出しより良い状態で歩くことができる」
という考え方を実践するためのシューズです。
靴底は薄く、フラットな形状が特徴です。
<シューズ写真イメージ>
踵での着地は衝撃が強いので、おのずと足の中央部を使った着地となります。
足裏には土踏まずというアーチ状になっている部分があり
アーチは衝撃を和らげるための装置とも言える部分です。
足指が浮いてしまうとアーチが崩れて
偏平足、外反母趾、足底筋膜炎などを引き起こす原因となるのです。
まずは負担のない歩き方で、転ばない足腰を作りましょう!!
そして100歳まで自分の足で歩ける脚力をつけましょう!